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2022/01/12
元利均等返済と元金均等返済はどっちがお得?それぞれのメリット・デメリットや向き不向きをわかりやすく解説 住宅ローンの返済方法には、「元利均等返済」と「元金均等返済」という2つの方式があります。 こ
住まい選びのコツ!
元利均等返済と元金均等返済はどっちがお得?それぞれのメリット・デメリットや向き不向きをわかりやすく解説
住宅ローンの返済方法には、「元利均等返済」と「元金均等返済」という2つの方式があります。
この違いをあまり深く理解せずに選ばれている方も多いのではないでしょうか。
返済方法の選び方によっては、毎月の返済額が異なるだけでなく総返済額にも影響を与えますから、どのような返済方法かを確認したうえで選択することが大切です。
今回は、元利均等返済と元金均等返済の内容やメリット・デメリットを解説するとともに、どちらの返済方法がお得になるかをシミュレーションしてみます。
迷われている方は、ぜひ参考にしてください。
元利均等返済とは
元利均等返済とは、最初に元金(借入額)と利息を合わせた額を求め、それを毎月均等に返済していくという方法です。
たとえば、借入額3,000万円を25年(300ヵ月)で返済する場合、まず25年分の利息分を求めます。
仮に利息分が750万円だとして、借入額と合わせた3,750万円を300ヵ月で割ります(この例でいえば、毎月の返済額は3,750万円÷300カ月=12.5万円になります)。
つまり、毎月の返済額は常に一定になるのが元利均等返済の特徴です。
なお、返済額に対する元金と利息の割合は、ローン実行直後は利息のほうが多いですが、完済時期が近付くにつれ元金の方が多くなるように変化することも元利均等返済の特徴です。
元利均等返済のメリット
元利均等返済を選ぶメリットの一つが、「返済計画が立てやすい」ことです。
長期固定金利であれば、毎月の返済額は10年後も20年後も常に同じ金額ですから、将来の家計収支を予想しやすいでしょう。
また、「ローン実行直後の返済額を抑えられる」のも元利均等返済のメリットです。
この後に紹介する元金均等返済だと、最初の返済額が高くなるため返済負担が重くなります。
元利均等返済なら返済額は一定で変わりませんから、最初のうちは負担を感じにくいでしょう。
こうしたメリットから、住宅ローン利用者の多くが元利均等返済を選ぶ傾向にあります。
元利均等返済のデメリット
元利均等返済のデメリットは、元金均等返済と比べて「トータルの返済額が多くなる」ことが挙げられます。
先述の通り、元利均等返済の返済額に対する元金と利息の割合は、ローン実行直後は利息の方が多くなります。
これは、利息額が借入残高に対して決まるからです。
最初のうちは残高の多いため利息分が多くなり、完済時期が近付くほど残高が減るため利息の割合が少なくなっていきます。
つまり、元金の減るスピードが遅いため利息が多くなりやすいのです。
なお、繰り上げ返済やボーナス返済などを活用することで利息を減らせますから、元利均等返済を選ぶ方は、支払額を減らす工夫も検討しましょう。
元金均等返済とは
元金均等返済とは、元金を均等に返済していく方法です。
利息は借入残高に応じた額を算出し、元金との合計額が毎月の返済額になります。
たとえば、借入額3,000万円を25年(300ヵ月)で返済する場合、まず借入額を返済期間で均等に割り、毎月の元金返済額を算出します(3,000万円÷300ヵ月=10万円)。
そこに、残高に応じた利息分を足して毎月の返済額を算出します。
この例でいえば、返済額は最低でも10万円以上になりますが、ここでポイントになるのが「借入残高に応じた利息分を足す」こと。
ローン実行後は残高が多いため利息は多くなりますが、残高が少なくなるにつれ利息が減っていき元金返済額(10万円)に近づいていきます。
このため、完済時期が近付くにつれ返済額は徐々に少なくなっていくのが、元金均等返済の特徴です。
また、元利均等返済よりもトータルの返済額を抑えられるのも、元金均等返済の特徴の一つです。
元金均等返済のメリット
元金均等返済を選ぶメリットは、元利均等返済よりも「トータルの返済額を抑えられる」ことです。
先述の通り、元金は一定に減っていきますから、元利均等返済よりも元金の減るスピードが速く、利息分を少なくできます。
また、残高が少なくなれば利息も減る方式のため「返済額が少なくなっていく」こともメリットといえるでしょう。
完済時期が定年を超える方など収入が徐々に減っていく見込みの方なら、将来の家計の負担を抑えられるという点で元金均等返済が有利になります。
元金均等返済のデメリット
返済額が徐々に少なくなっていくということは、「ローン実行直後の毎月の返済額は多くなる」ということでもあります。
残高の多い最初のうちは、元利均等返済よりも毎月の返済額が高くなるため、返済開始当初は住宅ローンの支払い負担が大きくなります。
また、「住宅ローンの借入可能額が減る可能性がある」のも、元金均等返済のデメリットといえます。
元金均等返済における住宅ローンの審査は、ローン実行直後の毎月の返済額に基づいて判断されます。
最初のうちは返済額が高くなりますから、年収が多くない方だと審査に落ちる可能性もあるのです。
審査をクリアするには、借入可能額を少なくするなどの対策が必要になってきます。
元利均等返済と元金均等返済どちらがお得?
これまで説明した通り、トータルの返済額だけをみれば元金均等返済の方が安く抑えられます。
では、実際のところどれくらい安くなるのでしょうか。ここで、シミュレーションしてみましょう。
【ケース1】3,000万円を35年で返済する場合
借入額3,000万円を35年で返済するケースを、元利均等返済と元金均等返済で比べてみます。
なお、金利は35年固定で1.3%、繰り上げ返済やボーナス返済はしないという条件で試算しました。
結果は、以下の通りです。
トータルの返済額を比べると、元利均等返済は約3,735万円、元金均等返済が3,684万円ですから、元金均等返済の方が約51万円も抑えられます。
ただし、最初の返済額をみると元金均等返済の方が約1万5,000円も高く、返済額は徐々に減っていくもののローン実行から約17年間は元利均等返済より高くなります。
そして最後の返済時には、元金均等返済の方が約1万7,000円も安く抑えられます。
【ケース2】1,500万円を20年で返済する場合
次に、借入額が少なく返済期間の短いケースで見ていきましょう。
ここでは、借入額1,500万円を20年で返済する例でシミュレーションします。
金利は20年固定で1.3%、繰り上げ返済やボーナス返済はしないという条件で、結果は以下の通りです。
借入額が少なく返済期間が短い場合でも、元金均等返済の方が約8万円も抑えられます。
ただ、3,000万円を35年で返済するケースでは約51万円も差が開いたのに対して、このケースでは差は小さく感じるでしょう。
結局のところ利息の差ですから、短期間で金利の低いときに借り入れすれば、それほど大きな差にならないという点も覚えておきたいポイントです。
自分に向いているのは元利均等返済と元金均等返済のどちら?
住宅ローンの返済方法を選ぶとき、「トータル返済額の少ない元金均等返済が良い」とは、必ずしも限りません。
家計の状況は人それぞれ違いますので、自分に合った返済方法を選ぶことが大切です。
それぞれの返済方法に適した人について、考えてみましょう。
元利均等返済に向いている人
元利均等返済は最初のうちは返済額を抑えられますから、安定した収入があり今後増える見込みの方に向いているといえます。収入が増え家計に余裕が生まれたら繰り上げ返済などでトータルの返済額を減らすことも可能です。
将来の収入や家族構成といったライフプランがアバウトな方も、返済計画の立てやすい元利均等返済を選んだ方が無難かもしれません。
また金融機関の審査の観点から、融資額をできるだけ増やしたい方も元利均等返済の方が有利になるでしょう。
元金均等返済に向いている人
元金均等返済は、トータルの返済額を抑えたいという方に適した方法ではありますが、ローン実行直後の返済負担が大きいため、年収の多い方に向いているといえます。
年収がそれほど多くなくても、自己資金が多いなど借入額を抑えられる方も、元金均等返済を選べば将来の支出を抑えられるでしょう。
また、元金均等返済は毎月の返済額を徐々に減らせますから、家族が増えて支出が多くなりそうな方や転職などで収入が減る見込みの方にも向いています。
まとめ
元利均等返済と元金均等返済を選択するには、将来のライフプランを決めることが大きなカギになります。
たとえば、子どもが成長して教育費の割合が多くなる頃に、今より収入が増えているなら元利均等返済で良いでしょうし、収入が変わらなければ元金均等返済の方が家計の負担を軽くできるかもしれません。
いずれにしても、借入額からそれぞれの返済方法のシミュレーションをした上で、どちらの方が無理のない返済プランを立てられるかを検討することが大切です。
なお、元金均等返済は扱っていない金融機関もあります。
検討されている方は、借り入れを希望する金融機関へ事前に確認しましょう。
住宅ローンの返済方法には、「元利均等返済」と「元金均等返済」という2つの方式があります。
この違いをあまり深く理解せずに選ばれている方も多いのではないでしょうか。
返済方法の選び方によっては、毎月の返済額が異なるだけでなく総返済額にも影響を与えますから、どのような返済方法かを確認したうえで選択することが大切です。
今回は、元利均等返済と元金均等返済の内容やメリット・デメリットを解説するとともに、どちらの返済方法がお得になるかをシミュレーションしてみます。
迷われている方は、ぜひ参考にしてください。
元利均等返済とは
元利均等返済とは、最初に元金(借入額)と利息を合わせた額を求め、それを毎月均等に返済していくという方法です。
たとえば、借入額3,000万円を25年(300ヵ月)で返済する場合、まず25年分の利息分を求めます。
仮に利息分が750万円だとして、借入額と合わせた3,750万円を300ヵ月で割ります(この例でいえば、毎月の返済額は3,750万円÷300カ月=12.5万円になります)。
つまり、毎月の返済額は常に一定になるのが元利均等返済の特徴です。
なお、返済額に対する元金と利息の割合は、ローン実行直後は利息のほうが多いですが、完済時期が近付くにつれ元金の方が多くなるように変化することも元利均等返済の特徴です。
元利均等返済のメリット
元利均等返済を選ぶメリットの一つが、「返済計画が立てやすい」ことです。
長期固定金利であれば、毎月の返済額は10年後も20年後も常に同じ金額ですから、将来の家計収支を予想しやすいでしょう。
また、「ローン実行直後の返済額を抑えられる」のも元利均等返済のメリットです。
この後に紹介する元金均等返済だと、最初の返済額が高くなるため返済負担が重くなります。
元利均等返済なら返済額は一定で変わりませんから、最初のうちは負担を感じにくいでしょう。
こうしたメリットから、住宅ローン利用者の多くが元利均等返済を選ぶ傾向にあります。
元利均等返済のデメリット
元利均等返済のデメリットは、元金均等返済と比べて「トータルの返済額が多くなる」ことが挙げられます。
先述の通り、元利均等返済の返済額に対する元金と利息の割合は、ローン実行直後は利息の方が多くなります。
これは、利息額が借入残高に対して決まるからです。
最初のうちは残高の多いため利息分が多くなり、完済時期が近付くほど残高が減るため利息の割合が少なくなっていきます。
つまり、元金の減るスピードが遅いため利息が多くなりやすいのです。
なお、繰り上げ返済やボーナス返済などを活用することで利息を減らせますから、元利均等返済を選ぶ方は、支払額を減らす工夫も検討しましょう。
元金均等返済とは
元金均等返済とは、元金を均等に返済していく方法です。
利息は借入残高に応じた額を算出し、元金との合計額が毎月の返済額になります。
たとえば、借入額3,000万円を25年(300ヵ月)で返済する場合、まず借入額を返済期間で均等に割り、毎月の元金返済額を算出します(3,000万円÷300ヵ月=10万円)。
そこに、残高に応じた利息分を足して毎月の返済額を算出します。
この例でいえば、返済額は最低でも10万円以上になりますが、ここでポイントになるのが「借入残高に応じた利息分を足す」こと。
ローン実行後は残高が多いため利息は多くなりますが、残高が少なくなるにつれ利息が減っていき元金返済額(10万円)に近づいていきます。
このため、完済時期が近付くにつれ返済額は徐々に少なくなっていくのが、元金均等返済の特徴です。
また、元利均等返済よりもトータルの返済額を抑えられるのも、元金均等返済の特徴の一つです。
元金均等返済のメリット
元金均等返済を選ぶメリットは、元利均等返済よりも「トータルの返済額を抑えられる」ことです。
先述の通り、元金は一定に減っていきますから、元利均等返済よりも元金の減るスピードが速く、利息分を少なくできます。
また、残高が少なくなれば利息も減る方式のため「返済額が少なくなっていく」こともメリットといえるでしょう。
完済時期が定年を超える方など収入が徐々に減っていく見込みの方なら、将来の家計の負担を抑えられるという点で元金均等返済が有利になります。
元金均等返済のデメリット
返済額が徐々に少なくなっていくということは、「ローン実行直後の毎月の返済額は多くなる」ということでもあります。
残高の多い最初のうちは、元利均等返済よりも毎月の返済額が高くなるため、返済開始当初は住宅ローンの支払い負担が大きくなります。
また、「住宅ローンの借入可能額が減る可能性がある」のも、元金均等返済のデメリットといえます。
元金均等返済における住宅ローンの審査は、ローン実行直後の毎月の返済額に基づいて判断されます。
最初のうちは返済額が高くなりますから、年収が多くない方だと審査に落ちる可能性もあるのです。
審査をクリアするには、借入可能額を少なくするなどの対策が必要になってきます。
元利均等返済と元金均等返済どちらがお得?
これまで説明した通り、トータルの返済額だけをみれば元金均等返済の方が安く抑えられます。
では、実際のところどれくらい安くなるのでしょうか。ここで、シミュレーションしてみましょう。
【ケース1】3,000万円を35年で返済する場合
借入額3,000万円を35年で返済するケースを、元利均等返済と元金均等返済で比べてみます。
なお、金利は35年固定で1.3%、繰り上げ返済やボーナス返済はしないという条件で試算しました。
結果は、以下の通りです。
元利均等返済 | 元金均等返済 | |
最初の月の返済額 | 88,944円 | 103,927円 |
10年経過後の月の返済額 | 88,944円 | 94,642円 |
20年経過後の月の返済額 | 88,944円 | 85,356円 |
最後の月の返済額 | 88,944円 | 71,745円 |
トータル返済額 | 37,356,562円 | 36,841,094円 |
トータルの返済額を比べると、元利均等返済は約3,735万円、元金均等返済が3,684万円ですから、元金均等返済の方が約51万円も抑えられます。
ただし、最初の返済額をみると元金均等返済の方が約1万5,000円も高く、返済額は徐々に減っていくもののローン実行から約17年間は元利均等返済より高くなります。
そして最後の返済時には、元金均等返済の方が約1万7,000円も安く抑えられます。
【ケース2】1,500万円を20年で返済する場合
次に、借入額が少なく返済期間の短いケースで見ていきましょう。
ここでは、借入額1,500万円を20年で返済する例でシミュレーションします。
金利は20年固定で1.3%、繰り上げ返済やボーナス返済はしないという条件で、結果は以下の通りです。
元利均等返済 | 元金均等返済 | |
最初の月の返済額 | 71,010円 | 78,750円 |
10年経過後の月の返済額 | 71,010円 | 70,624円 |
最後の月の返済額 | 71,010円 | 62,567円 |
トータル返済額 | 17,042,354円 | 16,958,005円 |
借入額が少なく返済期間が短い場合でも、元金均等返済の方が約8万円も抑えられます。
ただ、3,000万円を35年で返済するケースでは約51万円も差が開いたのに対して、このケースでは差は小さく感じるでしょう。
結局のところ利息の差ですから、短期間で金利の低いときに借り入れすれば、それほど大きな差にならないという点も覚えておきたいポイントです。
自分に向いているのは元利均等返済と元金均等返済のどちら?
住宅ローンの返済方法を選ぶとき、「トータル返済額の少ない元金均等返済が良い」とは、必ずしも限りません。
家計の状況は人それぞれ違いますので、自分に合った返済方法を選ぶことが大切です。
それぞれの返済方法に適した人について、考えてみましょう。
元利均等返済に向いている人
元利均等返済は最初のうちは返済額を抑えられますから、安定した収入があり今後増える見込みの方に向いているといえます。収入が増え家計に余裕が生まれたら繰り上げ返済などでトータルの返済額を減らすことも可能です。
将来の収入や家族構成といったライフプランがアバウトな方も、返済計画の立てやすい元利均等返済を選んだ方が無難かもしれません。
また金融機関の審査の観点から、融資額をできるだけ増やしたい方も元利均等返済の方が有利になるでしょう。
元金均等返済に向いている人
元金均等返済は、トータルの返済額を抑えたいという方に適した方法ではありますが、ローン実行直後の返済負担が大きいため、年収の多い方に向いているといえます。
年収がそれほど多くなくても、自己資金が多いなど借入額を抑えられる方も、元金均等返済を選べば将来の支出を抑えられるでしょう。
また、元金均等返済は毎月の返済額を徐々に減らせますから、家族が増えて支出が多くなりそうな方や転職などで収入が減る見込みの方にも向いています。
まとめ
元利均等返済と元金均等返済を選択するには、将来のライフプランを決めることが大きなカギになります。
たとえば、子どもが成長して教育費の割合が多くなる頃に、今より収入が増えているなら元利均等返済で良いでしょうし、収入が変わらなければ元金均等返済の方が家計の負担を軽くできるかもしれません。
いずれにしても、借入額からそれぞれの返済方法のシミュレーションをした上で、どちらの方が無理のない返済プランを立てられるかを検討することが大切です。
なお、元金均等返済は扱っていない金融機関もあります。
検討されている方は、借り入れを希望する金融機関へ事前に確認しましょう。