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2022/01/19
自分の年収で住宅ローンはいくら借りられる? 無理の無い返済を行うためのポイントをわかりやすく解説
住まい選びのコツ!
住宅ローンで借り入れできる金額は、契約者の収入や返済期間(借入期間)などの項目から、金融機関が設定しています。
設定額以上の借り入れを要望すると審査に落ちる可能性がありますから、「自分がいくら借り入れできるか」をあらかじめ知っておくことも大切です。
今回は、借入可能額の求め方や無理の無い返済を行うためのポイントなど、住宅ローンと上手に付き合うために知っておきたい知識をお伝えしましょう。
借入可能額の計算に使われる項目とは
住宅ローンの「借入可能額」を求める方法は、金融機関によって異なりますが、試算するときに用いる項目についてはある程度決まっています。
主な項目は、以下の5つです。
・年収
・返済期間
・返済負担率
・他のローンの借入額
・審査金利
年収はもちろん、「返済期間」も金利負担額を求めるうえで大切な要素です。
たとえば、3,000万円を20年で返済する場合と35年で返済する場合では、借入額は同じでも金利負担額は返済期間が長いほど増えます。
金利負担額が増えると月々の返済額もアップしますから、返済期間をできる限り短くすることが負担を抑えるポイントの一つです。
返済負担率とは
上記項目のうち、借入可能額の計算に大きな影響を与えるのが「返済負担率(返済比率)」です。
返済負担率とは、年収に対する返済額の割合のこと。
一例として、年収500万円の方が年間150万円返済する場合、返済負担率は次のようのように求めます。
・150万円÷500万円=0.3(=30%)
返済負担率も金融機関によって異なり、多いところでは35%まで設定できます。
ただ、年収によってはこれより低くなることもあります。
たとえば、年収300万円の方が返済負担率35%で借り入れると、年間の住宅ローン返済額は105万円、月々の返済額は8万7,500円になり、家計を圧迫する恐れがあるでしょう。
金融機関としても無理な返済プランは勧めませんから、年収によって返済負担率を変えているようです。年収ごとの返済負担率の考え方は、この後で詳しく説明します。
他のローンの借入額とは
「他のローンの借入額」とは、自動車ローンやカードローンなどの借入額のことです。
これらのローンの借入額も、住宅ローンの借入可能額の試算に使われますから、借入可能額を多くしたい方はできるだけ返済してから住宅ローンを申し込みましょう。
審査金利とは
「審査金利」とは、金融機関があらかじめ設定した借入期間中の想定金利のことです。
長い返済期間の間に市場金利がアップする可能性があります。
とりわけ固定金利タイプの住宅ローンだと、市場金利がアップすると金融機関は損をする可能性がありますから、審査の際には現在の金利に2~3%ほど上乗せした審査金利を用いて、住宅ローンの借入可能額を試算しています。
年収ごとの住宅ローン借入可能額の目安
住宅ローンの借入可能額を、年収別にシミュレーションしてみましょう。
先述の通り、返済負担率は年収によっても異なります。そこで、無理のない返済プランを立てる上で返済負担率はどれくらいに設定すれば良いかも年収別で考えてみます。
まず、シミュレーションの前提条件は、以下の通りです。
■シミュレーションの前提条件
・借入期間:35年(固定金利・元利均等)
・返済負担率:20%/25%/30%(それぞれで試算)
・他のローンの借入額:0円
・審査金利:3%
なお、月々の返済額に関しては実際の金利(2021年9月現在のフラット35の1.28%)を使用します。
【参考サイト】
住宅保証機構「借入可能額の試算(年収より算出)」
https://loan.mamoris.jp/borrowing_income.asp
住宅保証機構「返済額の試算」
https://loan.mamoris.jp/repayment.asp
年収300万円の借入可能額の目安
ボーナスを含めて年収300万円の方の場合、月々の手取りは18万円程度ではないでしょうか。
返済負担率を30%に設定すると、2,000万円弱を借り入れできますが、毎月の返済額が5万7,567円となり家計を圧迫するおそれがあります。
食費や光熱費などローン外の生活費を10~12万円くらいに抑えられる方でも、無理のない返済で考えると、返済負担率を25%、できれば20%で設定することをおすすめします。
年収400万円の借入可能額の目安
年収400万円の方なら、月々の給与は手取りで25万円弱くらいでしょう。
生活費のほか、子どもの成長を見据えて教育費が増えることを考えると、住宅ローン以外で月15~18万円くらい必要だと思われます。
返済負担率が25%までなら、無理なく返済できるでしょう。
年収500万円の借入可能額の目安
年収500万円の場合、毎月の給与は30万円弱で余裕が出てきます。
とはいえ、返済負担率が30%だと毎月の返済額が10万円近くになります。
今後、収入が増える見込みがあっても、将来何があるかわかりませんので、返済負担率は25%で設定することをおすすめします。
年収600万円の借入可能額の目安
年収600万円の場合、毎月の給与は30万円を超えるでしょう。
ローン以外の生活費を20万円以内に抑えられたら、返済負担率が30%でも余裕が出てきます。
ただし、生活費が20万円を超える場合や、自動車ローンなどほかの借り入れがある場合は、返済負担率を25%に設定しておくと安心です。
年収700万円の借入可能額の目安
手取りで月35万円を超える方なら、住宅ローンの支払いにある程度回しても心配ないでしょう。
ただし、借り過ぎは厳禁。限度額ギリギリの返済負担率35%に設定すると毎月15万円以上の支払いが続き、貯蓄に回すお金が少なくなってしまいます。
返済負担率は30%くらいに設定するのが無難です。
限度額まで借り入れるリスク
これまでお伝えした通り、返済負担率は年収によって異なるものの、25%くらいに設定すると無理のない返済プランを立てやすくなります。
しかし、年収の少ない方だと希望の家が手に入らないかもしれません。
返済負担率を35%に設定して「限度額ギリギリまで借り入れたい」と、考える方も少なくないでしょう。
もちろん、金融機関によっては限度額ギリギリでも借り入れできます。
ただし、「借りたお金は返さなければいけない」ということを忘れないことが重要です。
たとえば、収入の面で考えると今後も増え続けるという保証があるでしょうか。
病気やケガで収入が減ることもあるでしょうし、転職をして給与が下がる可能性もあります。
一方、支出の面では食費や光熱費などの生活費や教育費は、子どもが成長すると増えていくことが想定されます。
「月々の収支が赤字でも、ボーナスがあるから大丈夫」と、ボーナスを期待されている方がいらっしゃるかもしれません。
ただ、ボーナスは会社の業績で決まるものですから、業績が悪化すればボーナスが減ることも予測されます。
借りられる金額と返せる金額は違います。
ギリギリまで借り入れると返済負担の重さから、いずれ返済が滞るようになることも考えられますから、こうしたリスクがあることも、しっかり認識しておくことが大切です。
住宅ローンの返済が滞るとどうなる?
収入の減少と支出の増加が続き、住宅ローンの返済ができなくなったら、どのようなことになるのでしょうか。
まず、借入先の金融機関が信用情報機関に「滞納している」という金融事故の報告をします。
これが「ブラックリストへの登録」です。ブラックリストに登録されると、住宅ローンだけでなく、自動車ローンなどほかのローンの審査にも影響を与え、場合によっては融資が受けられなくなる可能性が生じます。
さらに住宅ローンの滞納が続けば、金融機関は抵当権を設定した家や土地を売却して、その資金でローンの返済をするための「強制退去」を、裁判所に対して申し立てることがあります。
つまり、「マイホームが競売にかけられる」という事態になるのです。
こうなれば、せっかく手に入れたマイホームを手放すばかりか、どこからもお金を借り入れできない状況のため、賃貸住宅すら借りられない可能性も出てきます。
実際に、支払を滞納してマイホームを手放す方は、住宅ローン利用者の1~2%ほどいるようです。
このような事態を避けるためにも、将来の返済プランをしっかり考え、借入可能額を決めることが重要になってきます。
まとめ
理想のマイホームを手に入れるために、できるだけ多くの融資を受けたいと考えるのは当然のことでしょう。
ただし、住宅ローンは借りたお金ですから必ず返さなければいけません。
住宅ローンを利用するときは、将来のライフプランを見据えた上で、無理のない返済プランや資金計画を立てることが大切です。
将来のことはわからないので計画するのは難しい一面もありますが、そこはお金のプロである銀行や不動産会社、ファイナンシャルプランナーなどに頼るのも一手です。
無理のない返済プランを立てるために、どれくらいの借入をすれば良いか相談してみましょう。
設定額以上の借り入れを要望すると審査に落ちる可能性がありますから、「自分がいくら借り入れできるか」をあらかじめ知っておくことも大切です。
今回は、借入可能額の求め方や無理の無い返済を行うためのポイントなど、住宅ローンと上手に付き合うために知っておきたい知識をお伝えしましょう。
借入可能額の計算に使われる項目とは
住宅ローンの「借入可能額」を求める方法は、金融機関によって異なりますが、試算するときに用いる項目についてはある程度決まっています。
主な項目は、以下の5つです。
・年収
・返済期間
・返済負担率
・他のローンの借入額
・審査金利
年収はもちろん、「返済期間」も金利負担額を求めるうえで大切な要素です。
たとえば、3,000万円を20年で返済する場合と35年で返済する場合では、借入額は同じでも金利負担額は返済期間が長いほど増えます。
金利負担額が増えると月々の返済額もアップしますから、返済期間をできる限り短くすることが負担を抑えるポイントの一つです。
返済負担率とは
上記項目のうち、借入可能額の計算に大きな影響を与えるのが「返済負担率(返済比率)」です。
返済負担率とは、年収に対する返済額の割合のこと。
一例として、年収500万円の方が年間150万円返済する場合、返済負担率は次のようのように求めます。
・150万円÷500万円=0.3(=30%)
返済負担率も金融機関によって異なり、多いところでは35%まで設定できます。
ただ、年収によってはこれより低くなることもあります。
たとえば、年収300万円の方が返済負担率35%で借り入れると、年間の住宅ローン返済額は105万円、月々の返済額は8万7,500円になり、家計を圧迫する恐れがあるでしょう。
金融機関としても無理な返済プランは勧めませんから、年収によって返済負担率を変えているようです。年収ごとの返済負担率の考え方は、この後で詳しく説明します。
他のローンの借入額とは
「他のローンの借入額」とは、自動車ローンやカードローンなどの借入額のことです。
これらのローンの借入額も、住宅ローンの借入可能額の試算に使われますから、借入可能額を多くしたい方はできるだけ返済してから住宅ローンを申し込みましょう。
審査金利とは
「審査金利」とは、金融機関があらかじめ設定した借入期間中の想定金利のことです。
長い返済期間の間に市場金利がアップする可能性があります。
とりわけ固定金利タイプの住宅ローンだと、市場金利がアップすると金融機関は損をする可能性がありますから、審査の際には現在の金利に2~3%ほど上乗せした審査金利を用いて、住宅ローンの借入可能額を試算しています。
年収ごとの住宅ローン借入可能額の目安
住宅ローンの借入可能額を、年収別にシミュレーションしてみましょう。
先述の通り、返済負担率は年収によっても異なります。そこで、無理のない返済プランを立てる上で返済負担率はどれくらいに設定すれば良いかも年収別で考えてみます。
まず、シミュレーションの前提条件は、以下の通りです。
■シミュレーションの前提条件
・借入期間:35年(固定金利・元利均等)
・返済負担率:20%/25%/30%(それぞれで試算)
・他のローンの借入額:0円
・審査金利:3%
なお、月々の返済額に関しては実際の金利(2021年9月現在のフラット35の1.28%)を使用します。
【参考サイト】
住宅保証機構「借入可能額の試算(年収より算出)」
https://loan.mamoris.jp/borrowing_income.asp
住宅保証機構「返済額の試算」
https://loan.mamoris.jp/repayment.asp
年収300万円の借入可能額の目安
返済負担率 | 借入可能額 | 月々の返済予定額 |
20% | 1,299万円 | 3万8,388円 |
25% | 1,624万円 | 4万7,992円 |
30% | 1,948万円 | 5万7,567円 |
ボーナスを含めて年収300万円の方の場合、月々の手取りは18万円程度ではないでしょうか。
返済負担率を30%に設定すると、2,000万円弱を借り入れできますが、毎月の返済額が5万7,567円となり家計を圧迫するおそれがあります。
食費や光熱費などローン外の生活費を10~12万円くらいに抑えられる方でも、無理のない返済で考えると、返済負担率を25%、できれば20%で設定することをおすすめします。
年収400万円の借入可能額の目安
返済負担率 | 借入可能額 | 月々の返済予定額 |
20% | 1,732万円 | 5万1,184円 |
25% | 2,165万円 | 6万3,980円 |
30% | 2,598万円 | 7万6,776円 |
年収400万円の方なら、月々の給与は手取りで25万円弱くらいでしょう。
生活費のほか、子どもの成長を見据えて教育費が増えることを考えると、住宅ローン以外で月15~18万円くらい必要だと思われます。
返済負担率が25%までなら、無理なく返済できるでしょう。
年収500万円の借入可能額の目安
返済負担率 | 借入可能額 | 月々の返済予定額 |
20% | 2,165万円 | 6万3,980円 |
25% | 2,706万円 | 7万9,968円 |
30% | 3,248万円 | 9万5,985円 |
年収500万円の場合、毎月の給与は30万円弱で余裕が出てきます。
とはいえ、返済負担率が30%だと毎月の返済額が10万円近くになります。
今後、収入が増える見込みがあっても、将来何があるかわかりませんので、返済負担率は25%で設定することをおすすめします。
年収600万円の借入可能額の目安
返済負担率 | 借入可能額 | 月々の返済予定額 |
20% | 2,598万円 | 76,776円 |
25% | 3,248万円 | 95,985円 |
30% | 3,897万円 | 115,165円 |
年収600万円の場合、毎月の給与は30万円を超えるでしょう。
ローン以外の生活費を20万円以内に抑えられたら、返済負担率が30%でも余裕が出てきます。
ただし、生活費が20万円を超える場合や、自動車ローンなどほかの借り入れがある場合は、返済負担率を25%に設定しておくと安心です。
年収700万円の借入可能額の目安
返済負担率 | 借入可能額 | 月々の返済予定額 |
20% | 3,031万円 | 8万9,572円 |
25% | 3,789万円 | 11万1,973円 |
30% | 4,547万円 | 13万4,374円 |
手取りで月35万円を超える方なら、住宅ローンの支払いにある程度回しても心配ないでしょう。
ただし、借り過ぎは厳禁。限度額ギリギリの返済負担率35%に設定すると毎月15万円以上の支払いが続き、貯蓄に回すお金が少なくなってしまいます。
返済負担率は30%くらいに設定するのが無難です。
限度額まで借り入れるリスク
これまでお伝えした通り、返済負担率は年収によって異なるものの、25%くらいに設定すると無理のない返済プランを立てやすくなります。
しかし、年収の少ない方だと希望の家が手に入らないかもしれません。
返済負担率を35%に設定して「限度額ギリギリまで借り入れたい」と、考える方も少なくないでしょう。
もちろん、金融機関によっては限度額ギリギリでも借り入れできます。
ただし、「借りたお金は返さなければいけない」ということを忘れないことが重要です。
たとえば、収入の面で考えると今後も増え続けるという保証があるでしょうか。
病気やケガで収入が減ることもあるでしょうし、転職をして給与が下がる可能性もあります。
一方、支出の面では食費や光熱費などの生活費や教育費は、子どもが成長すると増えていくことが想定されます。
「月々の収支が赤字でも、ボーナスがあるから大丈夫」と、ボーナスを期待されている方がいらっしゃるかもしれません。
ただ、ボーナスは会社の業績で決まるものですから、業績が悪化すればボーナスが減ることも予測されます。
借りられる金額と返せる金額は違います。
ギリギリまで借り入れると返済負担の重さから、いずれ返済が滞るようになることも考えられますから、こうしたリスクがあることも、しっかり認識しておくことが大切です。
住宅ローンの返済が滞るとどうなる?
収入の減少と支出の増加が続き、住宅ローンの返済ができなくなったら、どのようなことになるのでしょうか。
まず、借入先の金融機関が信用情報機関に「滞納している」という金融事故の報告をします。
これが「ブラックリストへの登録」です。ブラックリストに登録されると、住宅ローンだけでなく、自動車ローンなどほかのローンの審査にも影響を与え、場合によっては融資が受けられなくなる可能性が生じます。
さらに住宅ローンの滞納が続けば、金融機関は抵当権を設定した家や土地を売却して、その資金でローンの返済をするための「強制退去」を、裁判所に対して申し立てることがあります。
つまり、「マイホームが競売にかけられる」という事態になるのです。
こうなれば、せっかく手に入れたマイホームを手放すばかりか、どこからもお金を借り入れできない状況のため、賃貸住宅すら借りられない可能性も出てきます。
実際に、支払を滞納してマイホームを手放す方は、住宅ローン利用者の1~2%ほどいるようです。
このような事態を避けるためにも、将来の返済プランをしっかり考え、借入可能額を決めることが重要になってきます。
まとめ
理想のマイホームを手に入れるために、できるだけ多くの融資を受けたいと考えるのは当然のことでしょう。
ただし、住宅ローンは借りたお金ですから必ず返さなければいけません。
住宅ローンを利用するときは、将来のライフプランを見据えた上で、無理のない返済プランや資金計画を立てることが大切です。
将来のことはわからないので計画するのは難しい一面もありますが、そこはお金のプロである銀行や不動産会社、ファイナンシャルプランナーなどに頼るのも一手です。
無理のない返済プランを立てるために、どれくらいの借入をすれば良いか相談してみましょう。